代表ごあいさつ
GREETING
人が幸せに生きるための
“もう一つのわが家”を目指して
私は20代の頃、初めて介護の仕事に足を踏み入れました。短い期間でしたが、デイサービス施設に送迎車の運転士兼介護スタッフとして勤務する経験を持ったのです。その後、老人ホームに移り、それまで介護や福祉とかけ離れた仕事に従事してきた私の目に、その施設でのサービスは奇異なものと映りました。
その施設は美しく機能的。有資格者や介護・福祉の専門教育を受けたスタッフが多く、とても充実していると評判の施設でした。けれど、分刻みで決められたスケジュール、手際よくスピーディーなケア対応、「危険」という言葉のもとに入所者が「やりたいこと」や「できること」をさせてもらえない状況に、違和感を覚えずにはいられませんでした。すべてが「管理する側の都合」で組み立てられたプログラムだったからです。
入所者の方々も働いている方々も、この状況に幸せや喜びを実感しているのだろうか? 自分の親が、あるいは自分自身が、ここでお世話になるとしたら、躊躇するに違いない。いつか自分にとって介護が現実的になったなら、もっと「人」や「人生」を大切に考えよう、それができる環境を整えよう。
その時漠然と思ったことが、あるご縁から意外に早く現実化することとなりました。長野市内にある住み手のいなくなった古民家を活用できないかとの相談を受け、当時、地域に需要の多かった「託老所」を開設。手探りで取り組む介護事業のスタートでした。
多くの高齢者の方々、そのご家族の方々、介護・福祉・医療などに携わるさまざまな方々、行政など、さまざまな人々との出会いや膝を交えた話し合いを経験し、試行錯誤を重ねながらつくりあげてきたのが「燦倶楽部」です。現在、居宅介護支援1事業所、通所介護支援2事業所、そして看護小規模多機能型居宅介護施設1事業所を運営しています。
歳をとろうが、介護認定を受けようが、人は誰もが個性に満ちた顔を持ち、歩んできた人生を背負っています。それを尊重し、その人に合う介護サービスを提供することで、その人が幸せに生きてゆく支援をすることが介護福祉の使命だと私は考えます。「燦倶楽部」はそのための場所として、住み慣れた家や地域で暮らし続けたい方々をサポートしてまいります。また、地域のあらゆる世代の方々が気軽に交流し、知恵や知見を共有して地域を元気にしていく場所としても機能させていきたい考えです。
人が幸せに生きるための“もう一つのわが家”として、「燦倶楽部」を多くの方々にご利用いただければ幸いです。
- 株式会社 ながの地域福祉サービス
- 代表取締役小林 俊之